湿板写真とは?スマホ写真とどう違うのか
- esfahanchaihane
- 5月9日
- 読了時間: 3分
更新日:3 日前
スマホ全盛の時代に、あえて湿板写真?
スマートフォンで、誰もが気軽に写真を撮れる今の時代。
そんな便利さとは真逆を行くのが、湿板写真という技法です。
1850年代──まだフィルムすら存在しなかった時代に生まれた、硝子や金属のプレートに薬品で直接像を焼き付ける湿板写真。その手間のかかる古い技法が、いまなぜ静かに注目を集めているのでしょうか。

「とりあえず撮る」ことから、写真と向き合うことへ
スマホの写真は手軽で便利。でもその反面、「あとで見返せばいい」と思って撮った写真の多くは、記憶にも残っていないかもしれません。湿板写真では、一枚に込める想いがまったく違います。
湿板写真は、銀でできている

湿板写真の像は、光を受けた銀粒子によって焼き付けられます。スマホのデジタル画像とは異なり、その瞬間が物質としてプレートに定着するのです。
しっとりとした階調、深い陰影、立体感。そこには、見た人の心を引き込むような静かな力があります。
一枚の写真に“立ち会う”ということ
撮影には、大型の蛇腹カメラを使用します。その姿を見た瞬間、「これはただの写真じゃない」と感じる方も多いでしょう。

撮影の現場では、
緊張感のある静けさ
撮影者と被写体の空気感
現像液の中で像が浮かび上がる瞬間
そうした“空気”までもが、1枚の写真に焼き付けられていきます。これは、日常のスナップでは味わえない体験です。
「どんな意味を込めるか」を考える時間
1枚を撮るのに10分以上。だからこそ、撮られる人自身が「何を残すか」「誰と写るか」を自然と考えるようになります。それは、家族の絆かもしれないし、人生の節目、あるいは愛する人への贈り物かもしれません。
写真の中に込められるのは、飾らない、嘘のない、その人らしい今。レタッチできない湿板写真だからこそ、そのまなざしや佇まいが、静かに、ありのままに焼き付けられます。
まるで魔法のように──その場で立ち上がる像
湿板写真のもうひとつの魅力は、像が現れる瞬間をその場で見られることです。撮影後すぐに現像を行うと、無色のプレート上で、少しずつ像が立ち上がってきます。まるで魔法のようなその光景に、子どもも大人も思わず息をのみます。
だからこそ「一生もの」になる
仕上がった湿板写真は、ただの記録ではなく、その人の想いや関係性、空気感まで写し取った一枚です。静かで、美しく、そして本物の重みがあります。
私はそれを“記念写真”にとどめず、人生のひとコマを切り取るような、特別な写真体験としてお届けしたいと考えています。
あなたと誰かの、大切な一枚のために
湿板写真には時間と手間がかかります。だからこそ、写真の「本質」や「関係性」が写り込むのです。
一生に一度の記念に
家族の大切な瞬間に
自分自身を見つめ直すために
ぜひ、あなたもこの一枚に向き合う写真を体験してみませんか?

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