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湿板写真を撮るということ|記念として残す一枚

  • 4月7日
  • 読了時間: 2分

今日は少し趣向を変えて、実際に撮影に来ていただいた方々のことについて書いてみようと思います。

スマートフォンで、誰もが簡単に写真を撮れる時代になりました。

その一方で、東京でも体験することができる「湿板写真」を、あえて選んで撮影に来られる方がいます。



湿板写真の撮影風景



多くは、30代の新婚のご夫婦やカップルです。

中にはフォトウェディングとして撮影される方もいます。


日本の方もいれば、海外から来られる方もいます。

フィルムカメラを普段から使っている方も、少なくありません。


スマートフォンで撮影された、明るく鮮やかな写真があふれている中で、

あえて落ち着いた空間の中で、節目の出来事をかたちとして残したい。

そう考えて、湿板写真を選ばれる方が多いように感じます。



贈り物としての湿板写真


湿板写真の撮影は、手軽なものではありません。撮影から現像までを、その場で行います。

明るい部屋の中で、プレートに像がじわじわと浮かび上がってくる。その様子を見ることができるのも、この写真の特徴のひとつです。そしてこの瞬間は、多くの方が言葉を発さず、ただじっと見ています。




完成した写真をお見せすると、皆さんとても喜ばれます。

そこには、単に「写真が撮れた」とは少し違う体験があるように感じます。



仕上がった湿板写真を持って記念撮影


湿板写真は、すべての条件がうまく重なったときに、きれいな諧調を持った像が現れます。一方で、環境や薬品の状態によって、わずかなムラや痕跡が残ることもあります。


そうしたものも含めて、一枚ごとに表情が違います。

同じ写真は二つと存在しません。



和装で湿板写真を撮ったご夫婦


スマートフォンの写真が「記録」だとすれば、

湿板写真は、その時間をかたちにする行為に近いのかもしれません。

それを一枚の像として定着させたとき、静かで強い存在感を持ったものになります。


印象に残っているのは、一人で撮影に来られた方です。

節目の出来事をきっかけに、自分への記念として撮影を選ばれていました。


自分自身のために残すという選択は、とても強い意思を感じさせます。


湿板写真を撮るということは、ただ写真を残すというよりも、その時間ごと引き受けて、一枚にしていくことなのかもしれません。








 
 

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